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すみよし福祉の街づくり構想(6)

障がいをもつ人の“働く・暮らす”を問い直して

ライフサポート通信 第7号
2004年11月20日

 これまで、障がいのある人の生活といえば、全面的な家族(主として母親)による介護によって支えられ、困難になれば地域から離れた施設の利用があたりまえといえる状態でした。

 これまで、障がいのある人の就労といえば、一般企業での就労や通所施設や作業所でのいわゆる“福祉的就労”のいずれかで、双方には仕事の内容でも賃金などの条件面でも壁に例えられるほどの大きな隔たりがありました。作業所などで作業訓練から就職につなげるために取り組んでも、実際の雇用の場面では、障がいがゆえに同僚や上司とのやりとりに困難があると、問題を解決できずに一人悩んで離職するといったことや、技量はあってもはじめから就労を希望しない方が増えるなど、結局、作業所がその受け止め場として機能するケースもあります。

 障がいのある人の福祉制度もこの数年で大きく変わり、さらに今後も変わっていこうとしています。それに対して国や自治体の財源が不足しているということから、制度が後退する懸念が当事者や関係者から出されています。

 同時に「施設から地域へ」という声を受けた提言が障がいをもつ方々や行政の一部から出ています。その人らしく、地域で住み続けるといった「あたりまえの権利」を実現していくためには、必要な財源の確保も大切ですが、地域の関係者の連携も大切な要素になります。一例ですが、「なごみ」の地域交流スペースを活用した「まちかど喫茶」も区内の作業所による運営で、作業所の仕事としても、つながりを生み出す意味でも効果が生まれてきています。

 また、作業所には障がいが重く就労を希望されない方に対しても、作業をはじめとした社会参加を保障し地域生活を支える役割もあります。地域の作業所は様々な状況の方にそれぞれが悩みながら支援をしていたのが実態です。

 私たちライフサポート協会でも、12月に竣工する「オガリ」の移転によって、より重い障がいをもつ人の活動の場としても拡充します。また就労を希望している、就労できる条件にある方の支援も強化していく予定です。

 真に「施設から地域へ」を実現するには、ひとりひとりの障がいの状況に応じた働く場や活動の場・住まい・余暇支援などがすべてにわたって系統的・継続的になされる必要があります。

 住吉総合福祉センターとオガリに加えて各事業所間のつながりを活かし、地域で働き・暮らす基盤をひろげていくことが今後の課題です。

私たちの主張 Index

  1. 人が大切にされ支え合う町づくりをめざして
  2. 住吉総合福祉センターを住民交流の拠点に
  3. いつでも、どこでも、だれでも、自由に福祉を
  4. 安心の地域生活、応援します!
  5. よみがえれ!地域力
  6. 障がいをもつ人の“働く・暮らす”を問い直して
  7. 福祉の見直しを見すえて
  8. 2004年度ライフサポート協会の活動報告
  9. 自立する意味を問い直してみませんか
  10. 地域福祉のカギは人材育成!