コラム
2026.02.28

先日、社会福祉法人四恩学園と社会福祉法人優心会、およびライフサポート協会の3法人合同研修会に参加してきました。
テーマは「AIの活用でできること」。このところ処遇改善加算の申請の際にも、要件として業務省力化の取り組みを行っていること…に類する項目が出てきます。人手不足は全業種に及びますし、福祉職とて「少ない人数」を前提にして、できる限りの効率化を進めるべし…というのが国からのメッセージと受け取っております。対人援助という「最も効率化になじみにくい」と思っていた業種でも、進めていくことは避けられません。
実際に取り組み事例をお聞きしますと、記録の効率化のみならず、画像データから特定の入居者さんを選別して、その方のお写真に当時の記録を加えたアルバムを短時間で作成できるなど、従来は一定のセンスのある職員が相応の時間をかけて行っていた作業はすべてAIによって30分程で完成させることが可能とのこと。
懇親会の席でも「ケアマネ業務の一部在宅勤務化」や「重要事項説明書」の動画と自動音声による置き換えなどの可能性について話が上がり、利用者さんがなじめるかという課題はありつつも、おそらく急速にケアの世界でのAI導入も進むと思います。ライフサポート協会としても2026年度事業計画の中で一部の部門の一部の業務から取り組んでいくつもりです。
さて、実は介護や支援の現場以上にAIでの「効率化になじめそう」なのが経営判断でもあります。「経営」にもいくつかの領域がありますが、財務という観点では、法人内の赤字事業を閉鎖・もしくは縮減する。さらに他法人と比して多いとされる部門の職員を、他法人並みにすれば赤字幅が縮小し、改善できるという判断は、AIに言われずとも十分過ぎるほどわかってはおります。むしろ財務だけの観点から経営をするならば、人間理事長は退任し、ChatGTPさんやGeminiさんに理事長を譲った方がよいということになります。
ただ、経営は財務だけではありません。AIは決して想像してくれない個々の働く職員がいて、利用者さんがおられて、その支援の質の管理も、労務管理もあります。さらには社会福祉法人には、地域の課題にもあたる公益活動も有しています。数字の世界の定量的判断と、数字では表現できない定性的判断を重ねて、両面から経営判断をしていくのですが、相矛盾する課題に「折り合い」をつけてAIにはできない経営の成果を出せるのか?人間の理事長は今年も難問に当たっています。